数日前の投稿でCanSat競技会の話をぞろぞろとしていったのですが、その際に公開しなかったCanSat内部のカメラ映像、そして各センサのデータを公開します。
その前に、CanSatの仕様をまとめます。
・素材:アルミニウム
・全長:235 mm
・外径:65 mm
・重量:440 g
・パラシュート素材:ポリエステル
・パラシュート形状:六角形
・パラシュート対角線長:800 mm
・パラコード素材:ポリエステル
・パラコード本数:6 本
・パラコード長:35 mm/本
まずはカメラ映像です。
ロケット発射10秒前(11:45:45)から、CanSat着地10秒後までの映像に編集してあります。
・映像左下に時刻が表示されていますが、打ち上げ当日にタイムスタンプを設定し忘れたためでたらめの時刻です。
・映像を編集するときとBloggerアップ時の2回圧縮されてるので相当見難い映像ですが、元は綺麗です。
次にセンサデータのグラフです。
こちらもロケット発射10秒前(11:45:45)からに編集してあります。着地直前にデータ書込みをストップするプログラムの仕様により、データの最後は着地0.4秒前のものになっています。
・加速度
秋月電子のLIS3DHを使用しています。CanSatの中に図のように配置したので、各軸の方向は秋月電子サイトにあるPDFで確認してください。数字はピン名です。
落下直後のブレが非常に大きくなっています。その後はY軸のブレが大きい状態が続いていますが、X軸、Z軸は比較的安定しているようです。
・ジャイロ
ストロベリーリナックスのL3GD20を使用しています。CanSatの中に図のように配置したので、各軸の方向はストロベリーリナックスサイトにあるPDFで確認してください。数字はピン名です。誤差軽減のため、ある程度0に近い数値をすべて0として処理しています。
±288dps付近で値がカンストしているのでグラフが不自然な形になっています。こちらもY軸のブレ(垂直方向を軸とする回転)が大きいようでした。
・大気圧による高度
秋月電子のLPS331APを使用しています。
大気圧から高度を求める式は、カシオのサイトに掲載されているものを使用しました。
ただ、その式では海面気圧を求めなければないので、もう1つ式を使用しました。
ただ、その式では現在地の高度を求めなければならないので、話がループします。
ここで、CanSatは基本的に短時間駆動で垂直移動なので常に海面気圧を求める必要がないところに着目し、プログラムを開始した直後に1回だけ求めることにします。プログラムを開始するのは手動なので、ある程度高度の分かるところで開始すれば良いのです。
ということで、GoogleマップAPIに頼って会場建物の標高を調べ、地面からのCanSatまでの高さを加えた数値を現在地の高度にしました。そこでプログラムのスイッチを入れれば完璧です。
この過程を経て、以下のグラフのようになりました。
最高高度に達した後すぐ落下を始めるはずがなかなか落下せず、むしろ少しだけ上昇しています。その後急降下もしてます。
顧問の先生いわく、「擾乱」という空気の乱れ、いわゆる上昇気流・下降気流に乗った影響らしいです。余談ですが、ある千葉の高校がCanSatで上昇気流を捕らえようなんてことをやってたような気がするのでそっちも気になります。
グラフだけでは細かい様子が分からないと思うので、各センサの値と算出した高度のデータをcsv形式で配布します。発射約45分前の11:00:00から46分間強記録されたものです。何の機会に役立つかは分かりませんが、適当に使ってやってください。
サイズは837KBくらい、パスワードは「CanSat」です。
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org451059.csv.html
来年のCanSat競技会ではもっと多くのチームが参加してくれると嬉しいです。